まずはトークショーから。
木山さんは、アルバムをリリースするにあたって、会社の納会が終わったあとの冬休みの時期にレコーディングを行ったそうです。タイトなスケジュールだったようですが、予定通りに終了したとかで、さすがのボーカリスト魂ですよね。
木山さん曰く「暗い歌が好き。その先に明るいものは必ずあるから」
ライブでもカバーを中心にしたものをシリーズで行ってきたが、ずっと選曲が暗く、ファンの方にもそういう曲が好きなんだと思われてきたとか。
今回はあえて明るい曲も選んだとか。アルバムのテーマが恋人や家族などの「守りたい人」をテーマにしたものだった事もあり、自分のイメージにとらわれないものを選んだようです。タイトルの「F」はFamilyやFatherなどの頭文字を意味しているとか。
ディレクターさんに「これ以上キーを上げると歌えるのか?」と聞いたら「その苦しそうな声に説得力がある」というようなことを言われ、実際にレコーディングを終えて聴きかえすと感情のこもり方が違っていた。といったことや逆にJUJUの曲では低めのキーを指定され、これもまた中低音の響きに安定感や信頼感のメッセージが引き出されてきたんだとか。
個人的には今回のアルバムはカバー曲の温度が全体的にほんのり暖かい印象をうけました。
どの曲にもメッセージとしてあるものが「温もり」なんですよね。
優しい気持ち、いとおしい気持ち、包まれた腕や胸、明日への希望、愛する人の未来。
そんなものを伝えるがごとく温かみを持ったアレンジがなされ、そこに木山さんの暖かなボーカルがのっていくことで、聞いていてじんわりと染み込んでいくようなあたたかみのあるものになっていると思います。
木山さんはユニバーサルに移籍なさっていて、ユニバーサルでは徳永英明さんの「VOCALIST」シリーズという偉大なカバーアルバムシリーズがあるんですけど、それとある意味対をなした内容や音作りになっていると思うんですね。
あちらは徳永英明さんの「声の切なさ」や「力強さ」をフューチャーしてきており、ギュッと胸を締められるような音作りやボーカルディレクションを行ってると思うので。
佐々木さんは今回のアルバムでジャケット写真のモデルを17歳の息子さんとされているのです。お二人の出会いは木山さんが昨年出場し、優勝した「THEカラオケ★バトル」での番組共演で佐々木さんに「home」が好きなんですよ、とお声がけしてもらった事なんだとか。
今回のジャケット撮影を依頼された健介さんは、息子さんに言う時に「思春期だし断られるかもな」と思ったそうなのですが、息子さんはすぐに快諾してくれたとか。
健介さんの父親としての強い想いがその背中や息子さんの方に回した手などに込められていますよ。
佐々木さんはとにかく息子さんたちが大好きなようで、ずっと一緒にいたい。
まだその手を放したくないようでした。
木山さんはもう長男が20歳ということもあって、息子さんの旅立ちについては、ある程度の心の準備はしているようで、父親として出来ることは少ない。いつも少し離れた場所からでもつながっている、見守っていると伝えたいと語っていました。
また、「20代はなんで自分は生まれてきたのかなど悩む人だった。家族ができて一緒に過ごす時間が楽しくて、それが生きがいになった。だから会社にも行くし、歌も歌えていると思う」とも。こういう思いが今の木山さんの歌にもこもっているんだろうなと思いました。
そして歌を2曲披露。
1曲目は福山雅治さんの「家族になろうよ」
これ、改めて言われて気付いたのですが女性目線なんですね。
福山さんの完成された世界観を自分がどう表現するか、となった時にこれはもう心を込めてその心で表現するしかないと歌ったんだそうです。
そしてもう1曲はこのアルバム唯一のオリジナル「旅立ち~home 2016~」
この曲もデビュー曲「home」と同じく多胡邦夫さんの楽曲。
僕はこのお二人のシンクロ具合に本当にハマっています。
木山さんのボーカルが一番説得力を持つのは多胡さんの楽曲なんですよね。
今回の曲も本当に胸を打ちます。「home」とシンクロさせた歌詞の部分でもうぶわっと込み上げるものがありました。生で聴くとなおさらでしたわ。
テーマは「子供の旅立ち」。
子供世代には親からのメッセージとして、そして親世代にはリアルに今後迎えるであろう子供の自立、旅立ちに向けて自分はどうしていけばいいのかという心の準備のために。もしくはその頃の想いを思い出しながら聞いてほしいと思います。
今後またオリジナルの楽曲をどんどんリリースできるようになってほしい。
そのためにもたくさんの人にこの歌が届きますように。
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