こぶしとカントリー。

ここ最近、鈴木香音が卒業を発表したモーニング娘。’16
あ~、香音推しの自分にとって、ハロプロもしばらくまた卒業かなと思っていたら

ほかのハロプログループが最近なかなか熱いのですよ。
なので、今回はそのうち2組を自分なりにご紹介。

まずは、こぶしファクトリー。
先日シングル「桜ナイトフィーバー」がデビュー2作目にしてオリコン1位となり、「モー娘。超え」としてネットニュースを賑わせました。
昨年末にハロプログループ久々のレコード大賞最優秀新人賞を受賞してから勢いづいております。

今回のこぶしのシングルは1970~80年代のダンス・クラシックス、特にファンクへのオマージュが感じられるアレンジで固められています。

デビュー盤での「ラーメン大好き小泉さんの唄」につづいて、「桜ナイトフィーバー」はダンス☆マンのアレンジ。原曲のKANさんのアレンジよりもより華やかさと煌びやかさを足してあって、女の子がかわいく歌って盛り上がるというシチュエーションが上手くはまったナンバーになっていると思います。原曲のシニカルさは確かに形をひそめましたが、従来の「桜ソング」と一線を画するものになったという点でKANのシニカルさに匹敵する強さを持っているのではないかと思いますね。

そして2曲目の「チョット愚直に猪突猛進」
これを推す声も結構多い気がします。僕も結構好きです。

ヒャダインこと前山田健一さんの作詞・作曲。そして鈴木俊介氏&竹上良成氏のアレンジで、ブラスとハモンドオルガンが大活躍するゴージャスなファンクサウンドが特徴。
サビの部分が短い、そしてそれ以外の盛りあがりがあるというハロプロ法則に従って作ったという楽曲の流れがかなり心地いい。実際の楽曲よりも心理的にテンポアップしちゃうのですよね。

更に「押忍!こぶし魂」は往年のファンクバンド「アースウィンド・アンド・ファイアー」を彷彿とさせるクラシカルなファンクサウンド。イントロの部分のモロな感じと「押忍!」の声が絡む遊び心はそれだけで楽しくなってくる。

そこに乗せられた歌詞が10代ならではの人生観があって、ちょっとおじさんには懐かしくも切ないシチュエーションがあるのですが(笑)、元気をくれるエールをパンチある「がなり」で聴かせてくれるのです。

彼女たちのボーカルは、リーダーの広瀬彩海や井上玲音が割と中心でそこに浜浦彩乃といった印象だったんだけど、今回のシングルでは浜浦が大躍進。エース級のパート振りになっていたのが印象的だった。

そして個人的にデビュー作から気になっていたのが和田桜子の声の質。

この子の声は天然の色気と癒しがある。ほんわかさせる事も出来るし、強いタッチで歌っているときの語尾の色気は何とも言えない。こぶしのボーカルのワークの中でいいアクセントになっている。ある意味一番ソウルフルなのかもしれない。

こういう風に声質がグループの中で異端な人がいるのは、使い方によってはとても面白くなる。Juice=Juiceでの金澤朋子しかり、カントリー・ガールズの小関舞しかり。(このセレクトは個人的観念)こぶしは強いアタックで歌う楽曲が多いので、彼女の声は非常に耳に残りやすいと思う。


そんでもって、来週にはカントリー・ガールズが新曲を発表。
これまでに2曲のPVをオフィシャルで発表しているけど、これもまたいいのだ。

彼女たちは今年から新メンバーを加入させ、7人での活動をスタートしている。
今回は新体制になっての初シングル。
ミュージカルをやることになっている彼女たちなのだけど、その設定に合わせたかのように60年代、70年代の雰囲気を持ってきた楽曲がいい感じだ。

「ブギウギLOVE」はロカビリーやブギといったテイストのアレンジ。
ブラスがゴージャスでアクセントで奏でられるギターの音色が何とも言えず、その頃の時代のテイストを上手く再現している。ドラムの音色がタイトに聞こえるのもいい。
作曲は星部ショウさん。彼のハロプロ内での良曲の生産量は大したもの。

新人ふたりのボーカリストとしての実力もなかなか。船木結は最年少ながら中低音域が良く響く太目の声質。大人びた楽曲が良く似合いそうだ。梁川奈々美は船木とは対照的な可愛らしさとあどけなさが印象的な声。のどが不安定そうだけど。

彼女たちはこの二つの声質とその中間の3グループに分かれるようなグループだと思う。

森戸、稲葉、梁川、小関が可愛いあどけない系の声。
山木と船木が安定した低めの声。ももちもこっちよりだとは思うが、使い分けが出来る感じなので中間かなと。ただ安定感は半端ない。

そして、これもまた懐かしめなテイストの「恋はマグネット」
80年代後半から90年代のガールズコミック原作アニメのED感がするんですよね。
それとか魔法系ね(笑)。懐かしいわぁ~。←あまり見てないのに、そんなアニメ。

ここでは可愛い声質系のみんなが全体的に散らばるようにソロパートを担当し、
長めのものを山木とももちが担当しているといううまい構成。
楽曲の可愛らしさとそこはかとなく漂う色っぽさを上手く表現しています。

歌詞の世界も目線がお姉さんしているので、年長組の安定感が歌詞をスーッと耳に入れてくれる感じです。

そしてこの2曲でものすごく成長を感じたのが小関のボーカル。
ものすごく安定感が増しました。特に「ブギウギLOVE」で新人二人の後に入って来る小関に貫録さえ感じるように。(ライブだとそれがより顕著です)
声量豊かなタイプではないと思っているのですが、可愛らしさのなかにちょっとハスキーさが混じる特徴的な声とすこし舌足らずなが耳なじみよく入ってきます。

そして新体制になってからガッツリボーカルパートが増えたももちは流石の一言。

気負いなく、控えめなのに表現力の豊かさを感じるももちの歌声は天晴の一言です。

Waguri's Staff Blog

J-POPアーティスト、和栗卓也のスタッフによるブログです。和栗卓也の話以外もいっぱい書くほぼ私的なブログ。